がん治療の救世主 CAR-T細胞 開発           


PiggyBac Transposon Vector System

 



トランスポゾン (transposon) は細胞内においてゲノム上の位置を転移 (transposition) することのできる塩基配列のこと。動く遺伝子、転移因子 (transposable element) とも呼ばれる。

高効率な遺伝子改変細胞の作製方法

 



【発明の名称】
高効率な遺伝子改変細胞の作製方法
【出願人名】
KISSEI PHARMACEUTICAL CO., LTD.
【出願人国・地域】
JP
【出願人名】
キッセイ薬品工業株式会社
【出願人国・地域】
JP
【出願人名】
SHINSHU UNIVERSITY
【出願人国・地域】
JP
【出願人名】
国立大学法人信州大学
【出願人国・地域】
JP
【発明者名】 NAKAZAWA Yozo
【発明者国・地域】
JP
【発明者名】
中沢 洋三
  他に、三名( 田中 美幸  師川 紘一  成松 翔伍 )


養子細胞免疫療法(adoptive cell transfer,ACT)とは、抗腫瘍免疫をつかさどるリンパ球を一度体外へ取り出したのち、患者の癌細胞やインターロイキン2 (IL-2) といった物質と一緒に培養し、高いがん抗原への特異性を持たせた人工リンパ球を再び体内へ戻す治療法のことです。

ここで関連する用語を整理しておきます。

1:抗原   =病気の原因となるウイルスや細菌など、免疫反応を引き起こす異物

2:抗体   =抗原が体内に入ってきた際に、攻撃したり体外に排除したりするために作られるタンパク質。
「免疫グロブリン」とも呼ばれ、抗体が抗原と結びついて、感染を防ぐように働く。

3:リンパ球=脊椎動物の免疫系における白血球のサブタイプの一つである。
リンパ球の主要な種類は、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の三つです。

4:T細胞  =自然免疫、獲得免疫の液性免疫、細胞性免疫、細胞傷害性で機能する。
活性化したT細胞は、サイトカイン(細胞同士の情報伝達を行うタンパク質の総称)を分泌するヘルパー細胞、 がんや感染細胞を殺すキラー細胞などのエフェクター細胞に分化する。

5:B細胞  =獲得免疫の液性免疫、抗体産生を担う。

6:NK細胞 =ナチュラルキラー細胞=自然免疫、獲得免疫の細胞性免疫、細胞傷害性で機能する。


がん免疫に関与する細胞には、以下の通りです。

リンパ球(T細胞)=キラーT細胞(パーフォリンやグランザイムを放出、がん細胞を殺傷)

          ヘルパーT細胞(キラーT細胞の働きを助ける)

γδT細胞

制御性T細胞

リンパ球(B細胞)

ナチュラルキラー (NK) 細胞

ナチュラルキラーT (NKT) 細胞

単球/マクロファージ

骨髄由来抑制細胞


養子細胞免疫療法のための高いがん抗原への特異性を持たせた人工リンパ球=「遺伝子改変T細胞」には二種類があります。

A:遺伝子改変T細胞とは、がん細胞の抗原提示装置に結合しているがん抗原を認識するT細胞受容体(TCR= T cell receptor)。

B:がん細胞を認識する抗体の標的抗原認識部分とリンパ球活性化分子との融合蛋白(Chimeric antigen receptor:CAR)遺伝子を、Tリンパ球に導入し強制発現させた「キメラ抗体受容体遺伝子改変T細胞(CAR-T)」。

このうち、CAR-T細胞療法はキメラ抗原受容体(Chimeric Antigen Receptor, CAR)を遺伝子改変技術によりT細胞に導入し、体外で増殖させて患者に輸注する治療法です。

キメラ (chimera) とは、同一の個体内に異なる遺伝情報を持つ細胞が混じっている状態や、そのような状態の個体のこと、「異質同体」と呼ぶそうです。

CAR-T細胞療法に関しては、がん抗原は抗体でも認識されるので、がん抗原を認識する抗体遺伝子とT細胞の増殖に必要な副刺激遺伝子をT細胞受容体の構成成分であるCD3遺伝子に結合した「キメラ」遺伝子を導入したCAR-T細胞療法が開発されました。

このうちB細胞の目印であるCD19抗原を標的とするCAR-T細胞遺伝子治療が2019年5月に日本で保険収載され、B細胞性急性リンパ性白血病や悪性リンパ腫患者に対し大きな福音がもたらせられると期待が高まっています。

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