異なる「4次元時空」の住人が

    互いに理解に近づく方法は?
             

★ 0.はじめに


以下コメントは、前二回の画像、映像から、私が描いた妄想であるとお断りしておきます。


★ 1.認知活動の前提


「認知」とは、「生物が対象の知識を得るために、外部の情報を能動的に収集して、それを知覚・記憶し、さらに推理・判断を加えて処理する過程」 とのことです。

「認知」が必要となる背景には、「エントロピー」が増大することで、事象が複雑、混沌とし、わかりにくくなって来ることが考えられます。

「エントロピー」とは「不秩序」とでも言えるものです。

例えば、自分の部屋でも、放っておけば物置となっていく傾向があります。

ものが酸化すること、山が崩れること、川の下流の汚染など、枚挙の暇も有りません。

これらの「不秩序」が秩序立てられるのが「ネゲントロピー」の状態です。

最近の流行りでは、サウナ用語の「整う」に相当するものです。

その過程を通じて、人は「ホメオスタシス=恒常性=精神の安定」を得ることが出来ます。


★ 2.認知活動の要素=運動:感情:推論


認知活動の要素は、運動的認知、感情的認知、推論的認知がある、とのことです。

哲学者カントは人間の精神の働き方は「知」「情」「意」の三つである、と言っています。

私達はこれらのバランスによって動いています。

「知性」とは、知識や思考といったものを活用すること。頭を使うということです。

「感情」とは、喜びや悲しみや怒りなどのこと。心で感じるということです。

「意志」とは、意欲や精神力のこと。決断するということです。

夏目漱石も、「草枕」の中で、次のように述べています。

「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。」

認知活動との関連で言うなら、「知性=推論的認知の源泉」「感情=感情的認知の源泉」「意志=運動的認知の源泉」と言えます。

「意志=運動的認知の源泉」とは「健全な肉体に健全な精神が宿る(ことが望ましい)」と見ることが出来るからです。

これらの精神の働きによって、「不秩序」なものを「秩序」あるものとして認識したい、という自然な願望があります。


★ 3.認知活動プロセス:始点~終点:連続しての「一筆書き」


下図左図は、最下部(0、0、0)が起点で、X軸=推論的認知 、Y軸=感情的認知 、Z軸=運動的認知を経て、 最終目的である終点(X、Y、Z)に至る経過を示しています。

下図右図は、始点の1から終点の30、60に至る経緯を示しています。




★ 4.認知活動の障害となるもの:その1=認知要素面の問題


円滑な「認知活動」をするため、それぞれの認知要素の認知活動阻害を排除する必要があります。

認知活動阻害の例で、対外的に発生する以下のようなものが考えられます。

運動的認知:例示:「若い人の考え方について行けない。」

感情的認知:例示:「あいつの言うことは、生理的に受け入れがたい。」

推論的認知:例示:「どうしても納得が行かない。」


★ 5.認知活動の障害となるもの:その2=認知的不協和


認知活動を進める過程で、自分が感じる「認知的不協和」解消のため、 「ものは考え次第」と、自分に都合が良いように辻褄合わせをすることがあります。

イソップ物語の「キツネと酸っぱい葡萄」の例です。

これでは誤った認知となってしまいます。


★ 6.認知活動の障害となるもの:その3=「ケーニヒスベルクの橋」問題


「ケーニヒスベルクの橋」のところで触れた通り、認知活動を進める過程で、必要となる「橋」がない場合、 一筆書きでの認知をすることが出来ません。

もちろん、認知活動は続くもので、その時点での「認知」の結果が出るに過ぎず、今後発展があるかもしれません。

でも、その時点で本人が納得出来る取り敢えずの結論を出すことは出来ます。

この過程で、「頭の中のモヤモヤ感が少しは晴れた」気がすると思います。


さて、いよいよ表題の「『4次元時空』の住人が互いに理解に近づく方法は?」に触れたいと思います。


「4次元時空」の住民は、仮に親しい間柄でも、接する部分は「3次元空間=虚空」です。

「話せば分る」世界ではなく、基本「話しても分らない」世界と考えるべきです。

「昨日の自分に納得出来ない。ましてや他人の考えていることなんて、分る訳ない。」

でも、悲観することはない、と思います。

私達が芸術作品に触れる際にも、「作家の作意が分る」とは言えず、言えることと言えば「分ったような気がする。」です。

ある意味、これ以上のことはない、と思います。



では、「4次元時空」の住民同士、認知活動を促進するためにどうすれば良いか?

1.内省し、助言すること

2.共感を持つこと

3.俯瞰する見方をもつこと、にあると思います。


★ 1.認知活動を促進するもの:その1=川に橋を架けること

「ケーニヒスベルクの橋」の例で見た通り、四つの点を一筆書きで廻るためには、赤い「橋」を架ければ良いことが分りました。

赤い「橋」は、自分の認知活動にも、他の人の認知活動にも必要な場合があります。

考えが「同じところでグルグル廻り、結論が出ない」と感じる場合、赤い「橋」が必要かも知れません。

それに気がつくために、自分の認知を内省し、他の人の認知の欠けている点を助言する姿勢が必要かと思います。





★ 2.認知活動を促進するもの:その2=共感


前に述べた認知活動阻害要素を排除し、相手の話に耳を傾ける姿勢=共感が必要です。

もちろん、相手の考え方=自分の考え方と同一となることは有りません。

各人の現在の認知は、各人が経てきた4次元時空から築き上げてきたものです。

甲が乙に自分の認知を伝える際に、その認知は乙に伝わります。

乙への伝わりを「写像」と言うそうです。

望月新一氏の「宇宙際タイヒミューラー理論」図柄が甲乙間の「写像」に見えて来ました。

でも、甲乙がかつて隣接の4次元時空にいた場合は、甲から乙への「写像」の類似性が高いことが想定されます。

その意味で、「机を並べていた」「同じ釜の飯を食った」仲間とは共感しやすいことが想定されます。




★ 3.認知活動を促進するもの:その3=俯瞰する見方:三角錐


三角錐=四面体が回転する映像です。




この三角錐が重要な働きをします。下の図をご覧下さい。

三角錐の頂点部分=山頂




底面の各角部分=推論的認知 、感情的認知 、運動的認知


この図は、三つの認知要素を山頂から俯瞰する図となっています。

最近はドローンで下界を俯瞰して見ることが多いですが、そこから分ることは多いです。

「俯瞰すること」とは、「視点を変えること」「自分を客観視すること」です。

「下界を離れて山頂に向かうこと」は極めて重要です。

「ウィルダネス」も、自然という「ネゲントロピー」に戻り、山頂から下界を見下ろすことで、新たな発見に繋がると思います。

このような地道な活動を通じて、自らの認知を深め、周りの住人のことを少しでも理解することが出来る、と思います。


永らくお付き合い頂き、有り難うございました。ではまた。


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