マダガスカルの気候区分 気候変動による国土乾燥化の危機            

★01:マダガスカルの気候区分図

マダガスカルの気候区分図を、ネズミの立ち姿と比較すると、次の通りです。



ネズミの口付近が「熱帯モンスーン気候(Am)」、ネズミの背中付近が「熱帯雨林気候(Af)」です。

背中から深部に向かうにつれ、温暖湿潤気候(Cfa)、東岸海洋性気候(Cfb)となります。

場所によっては温帯夏雨気候(Cwa/Cwb)となります。

ネズミの胸、腹部分は「熱帯サバンナ気候(Aw)」に、下半身部分は「ステップ気候(BSh)」となります。

一点、赤い粒のところは、「砂漠気候(BWh)です。

それぞれの定義は以下の通りです。


● 熱帯(A)の気候区

Tropical,rainforest(Af)
f - Feucht(湿潤)- 最少雨月降水量が60mm以上

Tropical,monsoon(Am)
m - Mittelform(中間)- 最少雨月降水量が60mm未満かつ(100-0.04×年平均降水量)mmを超える

Tropical,savannah(Aw)
w - Wintertrocken(冬に乾燥)- 最少雨月降水量60mm未満かつ(100-0.04×年平均降水量)mm以下

● 乾燥帯(B)の気候区

Arid,steppe,hot(BSh)
BS(ステップ気候) - 年降水量が乾燥限界の半分以上で、乾燥限界に達しない
SはSteppe(ステップ)の頭文字
h - 年平均気温が18°C以上

Arid,desert,hot(BWh)
BW(砂漠気候) - 年降水量が乾燥限界の半分未満
WはWüste(砂漠)
h - 年平均気温が18°C以上

● 温帯(C)の気候区

Temperate,dry winter,hot summer(Cwa)
w(冬季乾燥/夏雨) - 最多雨月が夏にあり、10×最少雨月降水量≦最多雨月降水量
a - 最暖月が22°C以上

Temperate,dry winter,warm summer(Cwb)
w(冬季乾燥/夏雨) - 最多雨月が夏にあり、10×最少雨月降水量≦最多雨月降水量
b - 最暖月が22°C未満かつ月平均気温10°C以上の月が4か月以上

Temperate,no dry season,hot summer(Cfa)
f(年中湿潤/年平均降雨)
a - 最暖月が22°C以上

Temperate,no dry season,warm summer(Cfb)
f(年中湿潤/年平均降雨)
b - 最暖月が22°C未満かつ月平均気温10°C以上の月が4か月以上




★02:マダガスカルの気候

マダガスカルは南半球の熱帯~温帯の所在していますので、夏冬の季節が日本とは逆となります。

マダガスカルの気候(気温と降雨量)を見ていく中で、風の存在が重要です。
風には、「恒常風=南東貿易風」と「季節風=モンスーン」、また「(移動性)熱帯低気圧=サイクロン」による暴風とがあります。
これらの風が運ぶ海洋からの湿った空気が台地の斜面で上昇し、雲を作り大量の雨を降らせることになります。

さて「恒常風=南東貿易風」は地球の自転により起こるものですが、「季節風=モンスーン}には別の原因があります。
マダガスカルの気候にはモンスーン気候が関係し、モンスーン気候にはヒマラヤ山脈の上昇が関係している、と言われています。

「モンスーン」とは、アラビア語で「الرياح الموسمية」=「モーシム=季節風」に由来した名称で、アラビア商人がインド航路を発見した際に、既にモンスーンの発生を知っていて船の航路に使っていたそうです。
モンスーンは、冬は北東からの季節風に、夏は南西からの季節風となります。

モンスーンが始まった時期に関して、ヒマラヤ山脈から3000kmも離れたインド洋の深海底のコアからのヒマラヤ山脈の上昇を探る研究があり、それによれば、モンスーンは1000万年前から700万年前に確立したと、推測されています。

冬場には、大陸は冷やされ大気は重くなり下降し対流圏下部に高気圧を形成します。
ヒマラヤ山脈は雪と氷に覆われアルベド(albedo=太陽放射の反射率)は高くなり、地表面が受ける太陽エネルギーは減少するのでさらに冷却されます。
シベリアの平原上の冷たく重たい大気は、ヒマラヤ山脈があるために南下出来ず、巨大なシベリア高気圧が出現します。

モンス-ンの風向きは、気圧の高いところから、低いところへ吹きます。
冬場はシベリアの高気圧(H) ⇒ から赤道低気圧(L)へ吹きます。
ヒマラヤ・チベット山塊上の高気圧から赤道収束帯(ITCZ)に向かって北東モンスーンが吹く訳です。

一方赤道収束帯(大気循環の中で赤道付近に形成される低気圧地帯=熱帯収束帯=Intertropical Convergence Zone、略称:ITCZ)はマダガスカルからインドネシア付近まで南下し、この低下圧に向かってアジア大陸上の高気圧から吹き出す風が北東モンスーンです。

このようにヒマラヤ山脈はモンスーンの風向きのスイッチの働きをしており、夏場は「L」、冬場は「H」でスイッチが反対になることから「スイッチ気候」と言われています。




★03:マダガスカルの地域別気候

1.マダガスカル島は南北に細長い形でありますが、その気候は南北の差異よりも東西の差異の方が大きくなっています。

マダガスカルの気象は、 南東貿易風、季節風、サイクロンの影響を強く受けています。
マダガスカルは日本とは季節が逆で、雨季である冬には頻繁に破壊的なサイクロンが襲来します。
マダガスカルの気候は、南東貿易風と北西モンスーンの影響を強く受ける暑い雨季(11月~4月)と比較的涼しい乾季(5月~10月)に分けられます。
また、この季節には、インド洋で発生した大型のサイクロンが東部沿岸から上陸することがままあり、農作物に大きな被害をもたらしたり、洪水や土砂崩れなどの災害をまねきます。



2.マダガスカルの気候は、緯度によって3つの気候帯に分かれます。
沿岸部は蒸し暑い「熱帯性気候」、内陸部の高地は「温暖気候」、南部は「乾燥気候」となっています。
また南島貿易風と北西モンスーンの影響を強く受け、これら勢力の組み合わせにより季節が移り変わります。
11月から4月までは雨季で、気温が高く最高気温は約27度ほどで降雨量が多くなっていますが、5月から10月までは乾季で、比較的低温で最低気温は約10度まで下がり乾燥します。



3.東沿岸部は年中雨が多い高温多湿の熱帯性の気候で、降水量も多く、米作をはじめ、バニラ、カカオやシナモン、パイナップル他、トロピカルフルーツの栽培に適しています。

中央高地は東沿岸部よりも乾燥し、標高が高いため緯度が低い割りには涼しく、1年を通して過ごしやすい気候です。
西部はさらに乾燥し、島の南西部と南部の内陸は「半砂漠気候(ステップ気候)」が広がっています。
サバンナの草原が広がり、バオバブが群生するのは西海岸沿岸です。

熱帯低気圧によるサイクロンは、毎年のようにマダガスカル経済に被害を出させるばかりでなく、人的被害も引き起こしています。
マダガスカルを襲った過去最強のサイクロンは、2004年の「Gafilo(ガフィーロ)」で、172人の死者を出し、21万人以上の人々が家を失い、被害総額は2億5000万米ドルとされています。








★04:マダガスカルの都市別気候例







(備考)以下の表での「降水量偏差」の数値が幅広なのは上図と同様、歯止めがある百点満点のテスト結果と事情が異なるためです。



1.アンタナナリボ(antananarivo)の気温と降水量
Subtropical oceanic highland climate ( Cwb )
アンタナナリボの気温と降水量


2.トラニャロ(tolanaro)の気温と降水量
Tropical rainforest ( Af )

トラニャロの気温と降水量




3.ヌシ・ベー (nosybe)の気温と降水量
Tropical monsoon ( Am )

ヌシ・ベーの気温と降水量


4.モロンダバ(morondava)の気温と降水量
Arid steppe hot ( BSh )

モロンダバの気温と降水量




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