スイス プチ・パレ美術館展(~10月10日)           

スイスのジュネーヴにあるプチ・パレ美術館は、19世紀後半から20世紀前半のフランス近代絵画を中心とした、豊富なコレクションには定評があります。

同館の38名の画家による油彩画65点で、印象派からエコール・ド・パリに至るフランス近代絵画の流れを辿る展覧会が、SOMPO美術館で開催中です。(~10月10日)

プチ・パレ美術館は1998年に休館して以降、現在も一般には公開されていないので、その作品は現地でも見ることができません。

貴重な作品をじっくり鑑賞できるまたとない機会です。

フランス近代絵画の重要な美術運動を網羅した、教科書のような展覧会です。





第1章「印象派」

日常生活に基づく主題を屋外で描くことで、絵画の歴史に偉大な足跡を残した印象派。
線描とデッサンを捨て、単色による細かな筆致に専念しました。

スイスプチパレ美術館所蔵作品1
オーギュスト・ルノワール《詩人アリス・ヴァリエール=メルツバッハの肖像》1913年



第2章「新印象派」

因習的なサロンへの反発は強くなり、1884年に独立芸術家協会が設立。無審査で作品を発表できる、アンデパンダン展が開催されました。
同展には、ジョルジュ・スーラやポール・シニャックなど、後に新印象派で活躍する画家も出展しています。
直観的だった印象派の色彩理論を科学的に推進し、点描画法による鮮明な色彩表現や、印象派が失ったフォルム、画面の造形的秩序の回復を目指しました。
ジョルジュ・スーラが確立した芸術様式の系統です。

スイスプチパレ美術館所蔵作品2
モーリス・ドニ《休暇中の宿題》1906年

スイスプチパレ美術館所蔵作品3
アンリ=エドモン・クロス《糸杉のノクチューン》1896年

 

第3章「ナビ派とポン=タヴァン派」

フランス北部のポン=タヴァンという小さな村に滞在したポール・ゴーギャンと、その周辺にいたエミール・ベルナールなどの若い画家がポン=タヴァン派。ゴーギャンから助言を受けたポール・セリュジエが、友人のモーリス・ドニらに声をかけて結成されたグループが、ナビ派です。

スイスプチパレ美術館所蔵作品4
海岸で憩う人々を古典美術のような裸体像で表現しています。
モーリス・ドニ《ペロス=ギレックの海水浴場》1924年



第4章「新印象派からフォーヴィスムまで」

1905年のサロン・ドートンヌで、若い画家たちによる、大胆な筆遣いと鮮やかな色彩の絵画がひとつの展示室に集められ、「フォーヴ(野獣)の織」のようだと評されたのが、フォーヴィスムの由来です。

スイスプチパレ美術館所蔵作品5
モーリス・ド・ヴラマンク《7月14日 踏切、パリ祭》1925年

 


第5章「フォーヴィスムからキュビスムまで」

1907年にピカソが描いた《アヴィニョンの娘たち》で誕生したキュビスム。
対象を複数の視点からとらえ、それらを組み合わせて描くことで、絵画で現実を構築することを提唱しました。

スイスプチパレ美術館所蔵作品6
ジャン・メッツァンジェ《スフィンクス》1920年



第6章「ポスト印象派とエコール・ド・パリ」

ふたつの大戦の間のパリで活躍した芸術家のなかで、特定の芸術運動に属さず、明確な芸術上の主義や信条をたてない画家たちをエコール・ド・パリと呼びます。
彼らは、モンパルナス、モンマルトルを拠点に藝術活動をしました。
ユトリロは、エコール・ド・パリを代表する画家のひとりです。

スイスプチパレ美術館所蔵作品7
テオフィル=アレクサンドル・スタンラン《猫と一緒の母と子》1885年

スイスプチパレ美術館所蔵作品8
モーリス・ユトリロ《ヴィルフランシュの通り》1921年


母シュザンヌ・ヴァラドン(画家)が描いた幼い日のモーリス・ユトリロ

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