相田卓三教授 東京大学大学院工学系研究科              

東大と分子マシン

東大でも分子マシンに関連した研究はいくつか行われています。

例えば工学系研究科応用化学専攻の藤田研究室は、Sauvage教授のグループと同様に、金属錯体を用いた超分子化学の分野で、素晴らしい成果を多数報告しています。

今年の日本科学未来館のブログでも、ノーベル化学賞の予想にノミネートされていました。

研究のキーワードは「自己組織化」。つまり、分子を混ぜるだけで、勝手に構造が組み上がってしまう手法の世界的権威です。

この手法は、分子マシンの発展に必要不可欠な技術であるのは、ロタキサンやカテナンを見れば明らかです。

実際、藤田教授のグループも、カテナンを用いた不思議な構造をこれまでにいくつも報告しています。



同じく工学系研究科応用化学専攻の野地研究室では、少し違ったアプローチから、分子マシンについての研究を行っています。

用いているのはバイオテクノロジー。実は生物の中にもタンパク質でできた回転モーターが存在するのです。
Feringa教授のモーターと比べるとはるかに大きいですが、これもれっきとした分子モーターです。

このモーターが動く様子を分析し、その動作原理の解明にチャレンジしています。



工学系研究科化学生命工学専攻の相田研究室も、分子マシンを合成して、過去に報告しています。

アクアマテリアルなどの、新素材の研究で有名な印象がありますが、金原先生(現在は東工大で教授)と「分子ペンチ」を開発しています。

この分子は、光をあてることによってペンチのように開いたり閉じたり動かすことができ、先端に挟んだ分子を捻ることができます。

これまで報告されている合成分子マシンの中で、一番すごい成果だと思われます。



卓越教授 相田卓三教授 東京大学大学院工学系研究科

超分子化学。超分子重合を開拓し、革新的機能材料の創成に向けての展開を先導してきました。

超分子重合で得られる動的な性質を有する材料は、従来の高分子材料とは異なり、原料の容 易な回収、鎖の自在な組み替え、自己修復、外場応答などが可能であり、持続性社会の構築に 必須であることを提唱しました。

米国化学会賞、紫綬褒章、日本学士院賞受賞。オランダ王立 芸術科学アカデミー、全米工学アカデミー会員でもあります。

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サイエンスチャンネル 記事一覧

 

「分子マシン研究のロマンと基礎研究の重要性」

 

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