「e(ネイピア数)」 「 1/e 」          


ジョン・ネイピア(John Napier, 1550年 - 1617年4月4日)はスコットランドのバロン。

数学者、物理学者、天文学者、占星術師としても知られる。



複利計算と「e(ネイピア数)」との関係

もともとの「e(ネイピア数)」は、数学ではないところに隠れていました。複利計算です。

例えば、元本100万円、年利率7%として10年後の元利合計は約196.7万円と計算されます。

さてこれと同じ条件で単位期間を短くしてみます。元利合計はどのように変わるでしょうか。

1ヶ月複利ではx年後(=12xヶ月後)の元利合計は、元本×(1+年利率/12)12xとなり、10年後の元利合計は約200.9万円と計算されます。

さらに単位期間を短くして、1日複利ではx年後(=365x日後)の元利合計は、元本×(1+年利率/365)365xとなり、10年後の元利合計は201万3617円と計算されます。

このように単位期間の利息が元本に組み込まれ利息が利息を生んでいく複利では、単位期間を短くしていくと元利合計はわずかに増えていきます。

単位期間をどんどん短くしていくと元利合計はどこまで増えていくのか?

オイラーはニュートンの二項定理を用いてこの計算に挑みました。

はたして、nを無限に大きくするとき、この式の値の近似値が2.7182818459045…になることを突き止めました。

結局、単位期間をいくら短くしていっても元利合計は増え続けることはなく、ある一定の値に落ち着くということなのです。

この数値で先ほどの10年後の元利合計を計算してみると、201万3752円となります。これが究極の元利合計額です。

この数値「e(ネイピア数)」の近似値が2.7182818459045…です。



また、オイラー( 1707/04/15~1783/09/18 )に因んだ「オイラーの等式」と呼ばれる式があります。

ネイピア数 e、虚数単位 i、円周率 π の間に成り立つ実に美しい等式です。

eiπ + 1 = 0

e:ネイピア数(自然対数の底)
i:虚数単位(自乗すると −1 となる数)
π:円周率(円の直径に対する周の比率)です。



napier2718

ゴロ合わせとしては「 船人、ヤツは一発梯子くれ惜しい」、
または、「鮒一鉢、二鉢、一鉢、二鉢、至極惜しい」と覚えると良いそうです。





次に「1/e」について見てみます。

「 1/n の確率で当たるクジを n 回引く 」ゲームを考えてみます。

例えば「1/10 の確率で当たるクジを 10 回」引けば、期待値が 1.0 だから大体当たるだろうと思います。

でも、実際に計算してみると1回もアタリを引かない確率は約 35%に止まります。

実は、「1回もアタリを引かない確率は意外と高い」ということが分かります。



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