20221109cosmos



秋桜
淡紅の秋桜が秋の日の 何気ない陽溜りに揺れている
此頃涙脆くなった母が 庭先でひとつ咳をする
縁側でアルバムを開いては 私の幼い日の思い出を
何度も同じ話くり返す 独言みたいに小さな声で
こんな小春日和の穏やかな日は あなたの優しさが 浸みて来る
明日嫁ぐ私に 苦労はしても
笑い話に時が変えるよ 心配いらないと 笑った

あれこれと思い出をたどったら いつの日も一人ではなかったと
今更乍ら我侭な私に 唇かんでいます
明日への荷造りに手を借りて しばらくは楽し気にいたけれど
突然涙こぼし 元気でと 何度も何度もくり返す母
ありがとうの言葉をかみしめながら 生きてみます私なりに
こんな小春日和の穏やかな日は
もう少しあなたの子供で いさせてください






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