カオス理論 ⇒ 力学系理論 ⇒ ローレンツ方程式 |
カオス理論とは カオス理論は、ほんのわずか初期条件が変わるだけで結果に大きな差が起こる現象、予想がつかない複雑な現象を起こす微分方程式・力学系を扱う理論のことです。 カオスは、英語で混沌、無秩序を意味しています。 数学の世界にも「カオス」というものが存在し、数学的な定義もあります。 1975年に、数学者ジェームズ・A・ヨークと李天岩によって世界で初めて「カオス」の定義がなされました。 その後、ロバート・デバニーによる次のような定義がスタンダードとされています。 1.初期値鋭敏性をもつ(sensitive to initial conditions) 2.位相推移的である(topological transitive) 3.稠密な周期軌道をもつ(dense periodic orbits) こうしたカオス現象の中にはある意味で安定した“吸引集合”というものが存在し、「アトラクター」と呼ばれています。 力学系理論は,時間変化を記述します。 時間変化を記述する場合には,連続した時間変化を記述する連続力学系と、 連続した時間をとびとびに離散化した離散力学系での記述が可能です。 もちろん、元々離散化された時系列、例えば,コインを投げ上げた時の 裏表の時系列(裏,裏,表,裏・・・)などもあります。 1.連続力学系 ①.ローレンツ方程式 ②.レスラー方程式 ③.ダフィング方程式 2.離散力学系 ①.ロジスティック写像 ②.エノン写像 ③.記号力学 ローレンツ方程式、ローレンツ・アトラクター カオス現象の具体例を見てみましょう。 気象学者のローレンツ(Lorenz)は、大気の変動モデルを研究していました。 本来はナビエ・ストークス方程式という非線形の偏微分方程式によって大気変動は説明されますが、それをめちゃくちゃ単純化し、3成分の常微分方程式と変形させ、数値計算を行ってみたのです。 「決定論的非周期的流れ:エドワード・N・ローレンツ 要約 決定論的常非線形微分方程式の有限系は、強制散逸流体力学的流れを表すように設計することができる。 これらの方程式の解は、位相空間の軌道で識別することができる。 有界解を持つ系では、非周期解は通常、小さな修正に対して不安定であるため、わずかに異なる初期状態はかなり異なる状態に進化する可能性がある。 有界解を持つ系は、有界数値解を持つことが示されている。 細胞対流を表す単純な系は、数値的に解かれる。 すべての解決策は不安定であることが判明し、それらのほとんどすべてが非周期的である。 これらの結果に照らして、超長距離気象予測の実現可能性を検討する。~」 [ カオスが織りなす数学アートの世界 ] [ 2021年以降:デイリー 目次 ] | ||