沖縄方言 その1 「 ちむどんどん 」 |
NHK:連続テレビ小説「ちむどんどん」を手始めに、沖縄方言を見ていきます。 『チムドンドン』は、別冊マーガレット2012年1月号の別冊付録『BETUMA JAPAN!』に収録された 小夏という作者によるご当地漫画のタイトルです。 2022年度のNHKのテレビ番組「ちむどんどん」が放映され、この言葉が普及しました。 その意味は、沖縄方言で「胸がわくわくする気持ち」を表します。 実は「胸=肝」で、「きもどんどん」の沖縄方言です。 まず「どんどん」とは、音を表すと同時に、「物事が勢いよく進行するさま」も表します。 次の「肝(きも)」⇒「ちむ」は、沖縄方言の特徴を端的に表しています。 沖縄方言の特徴の一部は以下の通りです。 1.沖縄方言は、「あ」、「い」、「ぅ」の3つの母音を基本に成り立っており、「え」は「い」、 「お」は「ぅ」に変わります。 沖縄方言を「うちなーぐち」と表現しますが、「おきなわ」を「うちなー」と表現するからです。 2.沖縄方言では、「き」は「ち」に変わります。 3.語尾に付く言葉が色々あります。「さびら=します」「ぐゎ=ちゃん」「でーびる=ございます」 「さいびーん=です」「はいさいの『さい』=男性形」「はいたいの『たい』=女性形」「やー=ね」 「たん=過去形」などです。 4.アクセントでは、最終音節を高く発音する言葉と、句末から2音節前の音節を高く発音する言葉が あります。(二型式アクセント) 今回は、1~3を見ていきます。 沖縄方言の記載方法ですが、今回はまず読みやすい「ひらがな」で表示していきたいと思います。 1~2の事例は以下の通りです。 「え⇒い」型::鳥の羽(とぅい ぬ はに):魚の目(いーゆぬみー) 「お⇒ぅ」型:古酒(くす):島人(しまんちゅ)ぬ宝:黄金言葉(くがね くとぅば) 「き⇒ち」型:兄弟(ちょーでー):清ら(ちゅら):気張れよ(ちばりよー) 沖縄方言は、その漢字での記述が分ると、幾分理解が進みます。以下の事例をご覧下さい。 あんまー:母:上代語の「あも」系統の語。 あんらぐち:おべっか。お世辞。近世語の「油口」 いび: 神のいる場所:上代の「いむべ(忌部)」 かじふち:暴風:「風吹き」 くぐす:城:「具足=祭祀、軍陣などに際しての用具」 にふぇーでーびる:有り難うございます。 みみぐすい:聞いてためになること:「耳薬」 むんなれー:世の慣習を学ぶこと:「もの習い」 めんそーれ:「いらっしゃいませ」:日本語の古語「参り候え」(まいりそうら) ゆいまーる:助け合い:「結い廻る」 ゆくしむぬいー:噓。偽り:「横し物言い」 [ 2021年以降:デイリー 目次 ] | ||