キリル文字 : ラテン文字・ギリシャ文字と比較 |
キリル文字は、現在、ロシア、ウクライナ、ベラルーシなどで使われている文字です。 今年2月の冬季オリンピックで話題となったロシアのカミラ・ワレリエヴナ・ワリエワを例に取ってみます。 ロシア:キリル文字 Камила Валерыевна Валиева 英国:ラテン文字(ローマ字) Kamila Valeryevna Valieva キリル文字とラテン文字を比較すると、似ている点もありますが、違う点もあります。 ラテン文字(26字):現行ギリシャ文字(21字):キリル文字(33字)の比較は、以下の表の通りです。 古代ギリシャ文字を源として、ラテン文字、キリル文字が作られて行きました。 1.ラテン文字とギリシャ文字の比較 ①.ラテン文字にある「C」「Q」は、ギリシャ文字には有りません。 ギリシャ文字の「C」を使う言葉が「G」へと変化していったそうです。 ②.ギリシャ文字にある「Ιι」「Υυ」のそれぞれは、ラテン文字では「I J」「U V W」に分化したそうです。 ③.逆に、ギリシャ文字にある「Οο=オミクロン」「Ωω=オメガ」は、ラテン文字では「O」に一本化されました。 ④.ギリシャ文字には、「Θθ=シータ」「Ξξ=クサイ」「Ψψ=プサイ」があります。 2.古代ギリシャ文字由来と思われるキリル文字 ①.ラテン文字にある「C」「Q」は、キリル文字には有りません。 ②.ギリシャ文字の「Φφ=ファイ」「Ρρ=ロー」がそのまま持ち込まれています。(表の●箇所) 3.ラテン文字とキリル文字の比較 ①.ラテン文字にある「C」「Q」は、キリル文字には有りません。 ②.ラテン文字にある「X」「Y」は、キリル文字には有りません。 ③.ラテン文字にある「V」「W」は、キリル文字では「В в」に一本化されています。 「ロシア語にはワ行はない」言われますが、日本での「ワリエワ」が、キリル文字では「Валиева」となります。 ④.ラテン文字に対応しないキリル文字が12字あります。(明細は下記をご覧下さい。) Е е:(ye)イェー Ё ё:(yo)ヨー Й й:y(母音の後の短いイ) Ц ц:(ts)ツェー Ч ч:(ch)チェー Ш ш:(sh)シャー Щ щ:(shch)シシャー Ъ ъ:(硬音記号) Ы ы:(y)ウィ Ь ь:(軟音記号) Ю ю:(yu)ユー Я я:(ya)ヤー 26-4(C:Q:X:Y)+12(Е~Я)-1(В)=33 一部重複となりますが、ラテン文字(ローマ字)とキリル文字(ロシア語)との大雑把な対応表を貼付します。 ラテン文字26字(A-Z a-z)に対応するキリル文字(左が大文字・右が小文字) A a :А а B b :Б б C c : D d :Д д E e :Э э F f :Φ ф G g :Г г H h :Х х(ch)ハー I i :И и J j :Ж ж(zh)ジェー K k :К к L l :Л л M m :М м N n :Н н O o :О о P p :П п Q q : R r :Р р S s :С с T t :Т т U u :У у V v :В в:ロシア語にはワ行はない W w :В в:ロシア語にはワ行はない X x Y y Z z :З з 最後に、以前のウクライナビデオ番組のタイトルの比較です。 "Легенда Китай-гори" "Legenda Kitay-gori " "伝説 キタイ=中国 ― 山 " 日本語の「山」をキリル文字、ローマ字で比較すると、このようになります。 ウクライナ:「гори」 ロシア :「горы」 G g :Г г O o :О о R r :Р р Ы ы:(y)ウィ ポーランド・スロバキア・チェコの三国は、よく似た形となっています。 キリル文字で書かれた言葉も、以下のサイトでラテン文字とすることが出来ます。 [ Russian Tools キリル語-ラテン文字のテキストのローマ字化 ] [ 2021年以降:デイリー 目次 ] | ||