モールス符号(モールス信号に使用される英語版)           

アメリカ合衆国の発明家サミュエル・フィンレイ・ブリース・モールスは、1840年6月20日に、従来からの研究、実験で改良した符号と電信機との特許を取得しました。

これが、電信で用いられている可変長符号化された文字コードであるモールス符号です。

モールス符号とは、短点「・」、長点「‐」の組み合わせだけで構成されている単純な符号であることから、修得出来れば無線通信に限らず音響や発光信号でも会話や通信に活用出来ます。

日本では短点「・」を「トン」、長点「‐」を「ツー」として、「トンツー」とも呼ばれています。

そう、まさに長点と短点との「ツートン」カラーです。

かつて陸上同士の通信では、電報などの文字通信で多く使われましたが、他のデジタル通信方式の発達により、次第に使われなくなりました。

他方、遠洋航海の船舶間、または船舶と陸上との通信においては、通常の通信から万一の際の遭難信号(SOS)まで、長い間中波および短波を使ったモールス通信が行われました。

これがモールス通信に使われた「 電鍵 」です。

電鍵


しかし、通信衛星の登場で短波によるモールス通信は縮小し、非常用の通信手段としても、国際的な船舶安全通信が、前世紀末にGMDSSに完全に移行したため、モールス通信は基本的に使われなくなりました。

日本でも、モールス通信が残るのは、一部の漁業無線(遠洋漁業)・自衛隊の一部の通信・アマチュア無線に限られています。

船舶を中心に用いられていたモールス符号による遭難信号(SOS)は、現代でも遭難に限らず助けを求める合図、言葉として生きています。


「 sos=... --- ... 」


「 sos=... --- ... / ... --- ... / ... --- ... / 」

なぜ、「 sos 」=「 sos=... --- ... 」と言うのか?

俗説では、「save our souls(ship)」または「suspend other service」の略とも言われますが、そうではなく、モールス符号が注意を引きやすく、間違いにくい組み合わせだから、と言われています。

★★★★★★★★★★★★★★★

モールス符号とは、短点「・」、長点「‐」の組み合わせだけで構成されている単純な符号であることから、修得出来れば無線通信に限らず音響や発光信号でも会話や通信に活用出来ます。

短点「・=1」、長点「‐=2」として、少ない点の数(1~4)で、どれだけの符号が出来るかを見ていくと、以下の30通りになります。



11
12
21
22
111
112
121
122

211
212
221
222
1111
1112
1121
1122
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1212

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2112
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2122
2211
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2221
2222

英文のアルファベットの文字数は26個なので、4個を余して、点描写が可能です。

該当がないもの

「 ✖=---- 」「 ✖=---. 」「 ✖=..--」「 ✖=.-.-」



更に、数字については、短点「・」、長点「‐」合わせて5個で表現しています。

しかも、短点「・」、長点「‐」の位置が、視覚的にも分りやすい位置関係となっています。

「 0=----- 」「 1=.---- 」「 2=..--- 」「 3=...-- 」「 4=....- 」「 5=..... 」「 6=-.... 」

「 7=--... 」「 8=---.. 」「 9=----. 」



以下の翻訳機のサイトで、英文をモールス符号に変換することが出来ます。

また、変換後の「 WAV 」方式の音源データを「 mp3 」に変換して、PCに取り込むことが出来ます。

この変換サイトも添付しておきます。

[ Morse Code Translator :英文⇒モールス符号変換サイト]

[ 「 WAV 」⇒「 mp3 」変換サイト ]



アルファベット、数字の符号化が分ったとして、情報を発信するには、言葉にする必要があります。

この場合、文字数を極力少なくする工夫が必要です。

これが「略符号」と称されるものです。

昔、「CQ CQ こちらはJA1~~」という声で無線通信が開始された記憶があります。

「 cq 」とは「 general call to all stations 」つまり、「皆さん、聞いて下さい!」という意味です。

「gm」とは「good morning」のことです。

この略符号の考え方は、最近でも良く使われています。

略符号については、以下のサイトを参照願います。

  [ CW=《continuous wave》連続波での交信文例 ]


改めて見直すと、モールス符号は凄いです。

複数の文字を、僅か二つの記号で表現すること、

信号を数字「0」と「1」で表すデジタルの先駆けです。

★★★★★★★★★★★★★★★

「 0=----- 」 「 1=.---- 」 「 2=..--- 」 「 3=...-- 」 「 4=....- 」 「 5=..... 」 「 6=-.... 」 「 7=--... 」 「 8=---.. 」 「 9=----. 」

★★★★★★★★★★★★★★★

Morse-A.ogg Aの信号音「 a=.- 」 Morse-B.ogg Bの信号音「 b=-... 」 Morse-C.ogg Cの信号音「 c=-.-. 」 Morse-D.ogg Dの信号音「 d=-.. 」

Morse-E.ogg Eの信号音「 e=. 」 Morse-F.ogg Fの信号音「 f=..-. 」 Morse-G.ogg Gの信号音「 g=--. 」 Morse-H.ogg Hの信号音「 h=.... 」

Morse-I.ogg Iの信号音「 i=.. 」 Morse-J.ogg Jの信号音「 j=.--- 」 Morse-K.ogg Kの信号音「 k=-.- 」 Morse-L.ogg Lの信号音「 l=.-.. 」

Morse-M.ogg Mの信号音「 m=-- 」 Morse-N.ogg Nの信号音「 n=-. 」 Morse-O.ogg Oの信号音「 o=--- 」 Morse-P.ogg Pの信号音「 p=.--. 」

Morse-Q.ogg Qの信号音「 q=--.- 」 Morse-R.ogg Rの信号音「 r=.-. 」 Morse-S.ogg Sの信号音「 s=... 」 Morse-T.ogg Tの信号音「 t=- 」

Morse-U.ogg Uの信号音「 u=..- 」 Morse-V.ogg Vの信号音「 v=...- 」 Morse-W.ogg Wの信号音「 w=.-- 」 Morse-X.ogg Xの信号音「 x=-..- 」

Morse-Y.ogg Yの信号音「 y=-.-- 」 Morse-Z.ogg Zの信号音「 z=--.. 」

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