気象庁データから見た桜の開花時期          


今年、気象庁が発表した東京での桜の開花宣言は、3月14日でした。

「桜」の花は罪作りです。

「 今日咲くか はたまた明日か 気が揉める」

「 散り際は  今日か  明日か ハラハラと」

1953年以降、気象庁が「桜の開花時期」を連続観測している全国46地点の データを元に分かる範囲で、地球温暖化、都市化の進行状況を調べてみました。

桜の開花時期予想に関しては、①最高気温600度方式、②平均気温400度方式が有るそうです。

いずれも、2月1日以降の累積温度で、開花時期を予想するものです。

開花時期が早まるということは、地球温暖化、都市化の進行状況の目安と見ることが出来ます。

花見会をいつ設定するかの問題以上に、人類存続に関わる大きな課題で、まず知ることが大切です。

観測地点は、特定の場所ですが、表示にあたってはその所属都道府県を利用しています。

データが揃わなかった都道府県に、青森県、奈良県、高知県、宮崎県、沖縄県がありますが、ご容赦下さい。

調査項目は以下の三点です。

1.東京での「桜の開花時期」の推移

2.日本全国での「桜の開花時期」の推移

3.全国平均と比較しての「桜の開花時期」の傾向



1.東京での「桜の開花時期」についてです。

別表の通り、通期70年のうちで、前半の3月29.2日から後半の3月23.4日と、5.8日早まっています。

その傾向は、21世紀に入り、加速しており、2021年、2023年で3月14日と記録を更新しています。

全国で見ても、「桜の開花時期」が3月20以前の地点は、東京、福岡の2地点で、都市化の影響が見て取れます。

1953年~1960年と、2015年~2022年の間の平均「開花時期ランキング:ベスト8」は以下の通りです。

これによると、かつて最下位だった東京、福岡が最上位に転身しています。



2.日本全国での「桜の開花時期」の推移についてです。

別表の通り、桜の開花時期を3月10日から10日刻みで表示してみました。

1953年~1960年と、2015年~2022年の各8年間の平均時期を、色分けして表示してみました。

確かに、全国的に「桜の開花時期」の早期化を見て取ることが出来ます。

中でも「桜の開花時期」が3月20以前の地点(赤色の色塗り)は、東京、福岡の2地点です。

1953年~1960年               2015年~2022年



3.全国平均と比較しての「桜の開花時期」の傾向

1953年~1960年から、2015年~2022年の各8年間で、46地点で「桜の開花時期」が早まってのは 全国平均で6.3日でした。

この全国平均と比較し、それ以上早まった地点を図示してみました。

その結果、日本の北半分と日本海側が平均を上回っていることが見て取れます。



「桜の開花時期」を見るにつけ、今世紀に入り、温室効果ガスによる地球温暖化が急速に進んでいることを実感しました。

この状況改善のため、今日からでも出来ることから始めることこそ、喫緊の課題だと思っています。

ご参考までに、色塗り地図作製の基本データを添付しておきます。

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